「ニセ社長詐欺」急増中!会社のメールやLINEで騙される新手口とは
ねえ、この前会社に変なメールが来たんだけど…。
社長から「LINEグループ作って招待して」って。
それ、絶対に返信しちゃダメだ!
今すごく流行ってる「ニセ社長詐欺」だよ。うちの会社にも来た。
2025年の年末から急増してて、被害額は6億円を超えてるらしいよ。
しかも企業だけじゃなくて、病院や保育園にも来てるって。
え、そんなに広がってるの?どうやって見破ればいいの?
ニセ社長詐欺(ビジネスメール詐欺)とは?
「ニセ社長詐欺」は、正式には「ビジネスメール詐欺(BEC:Business Email Compromise)」と呼ばれる犯罪です。
手口はシンプルで、会社の社長や経営者になりすましてメールを送り、従業員にお金を振り込ませるというもの。実在する社長の名前や会社名を使うため、受け取った側は本物だと思い込んでしまいます。
最近では企業だけでなく、保育園、病院、農協など、さまざまな業種で被害が確認されています。「うちは大企業じゃないから関係ない」とは言えない状況です。
なぜ今、急増しているのか
警察庁は2026年2月13日、この「ニセ社長詐欺」について注意喚起を発表しました。
トレンドマイクロの調査によると、2025年12月7日頃からこの手口のメールが送られ始め、12月15日頃には1日あたり約1,000件に急増。2026年1月5日には、なんと1日で10,000件を超える検出がありました。
被害の実態
・東京都内だけで43社に詐欺メールを確認(2026年1月19日時点)
・そのうち14社が実際に被害、合計6億7,000万円
・長野県では2,950万円、岐阜県では1億円の被害も発生
・世界全体では年間約4,000億円以上の被害
年末年始を狙ったのは、社長も経理担当も出社しないタイミングだったからと考えられています。対面で確認できない状況を巧みに利用した手口です。
具体的な手口を解説
メールからLINEに誘導(最も多い手口)
現在、最も多く確認されているのが「LINEグループへの誘導」です。
典型的な流れ
1. 会社の公開メールアドレス宛に、実在する社長名でメールが届く
2. 「新しいプロジェクトのため」「業務上の必要で」などと理由をつける
3. LINEグループを作成し、招待用QRコードを送るよう指示される
4. グループ内で経理担当者に口座残高を聞く
5. 「至急の事業資金」「取引先への支払い代行」と称して送金を指示
また、一部ではMicrosoft Teamsのアカウント情報やパスワードを求めるケースも確認されています。
LINEに誘導する理由は、私的なスマホでやり取りすると「社長から直接メッセージが来ている」という心理的プレッシャーが働きやすいからです。
AI・ディープフェイク悪用の懸念
さらに注意が必要なのが、AI技術を使った新たな手口です。
2024年2月、香港で衝撃的な事件がありました。詐欺グループがディープフェイク技術を使い、ビデオ会議でCFO(最高財務責任者)になりすまし、約38億円(2,500万ドル)を送金させたのです。会議に参加していた同僚も、すべてディープフェイクで作られた偽物でした。
現時点で日本国内でのビデオ会議を使った同様の被害は確認されていません。しかし、最新のAI技術では数十秒の音声データがあれば本人そっくりの声を再現できるため、今後は日本でも同様の手口が広がる可能性があります。
騙されないための対策
警察庁やIPA(情報処理推進機構)が推奨する対策をまとめました。
すぐにできる対策
・送金前に必ず電話など別の手段で本人確認をする
・「至急」「極秘」「内密に」という言葉に要注意
・社内で今回の手口を共有する
・送金ルールを再確認し、ダブルチェック体制を整える
見破るヒント
ある会社では、ニセ社長が「財務担当の方をグループに招待してください」と言ったことで詐欺を見破りました。本物の社長なら「〇〇さん」と名前で呼ぶはずだからです。
また、メールの文面に中国語フォントが混ざっているケースも報告されています。普段と違う違和感があれば、すぐに相談しましょう。
まとめ
ニセ社長詐欺は、実在する社長の名前を使い、LINEなど普段使うツールに誘導するため、非常に気づきにくい手口です。
・2025年末から急増し、被害額は増加している
・企業だけでなく病院や保育園も標的に
・「至急」「極秘」の送金指示は必ず本人確認を
怪しいメールが来たら、一人で判断せず、すぐに上司や同僚に相談してください。
なるほど、まず本人確認が大事なんだね。
うちの会社にも共有しておこう。
そうだね。知っていれば防げる詐欺だから、みんなで気をつけよう。
【参考サイト】
警察庁「ニセ社長詐欺」に注意呼びかけ | ScanNetSecurity
社長を騙りLINEに誘導する「CEO詐欺」の手口を解説 | トレンドマイクロ
そのメール、本当に社長からですか?企業を狙うメール攻撃「CEO詐欺」とは | LAC WATCH
ビジネスメール詐欺(BEC)対策 | IPA
CFOになりすまして2500万米ドルを送金させたディープフェイク技術 | トレンドマイクロ

